労働問題
労働問題
「解雇をした従業員から過去に遡って賃金の支払いを求められている」
「労働審判の申立書が届いたが、どのように対応すれば良いかがわからない」
「従業員がセクハラで訴えてきた」
経営者にとって労働問題は経営に大きな影響を及ぼす非常に重要な問題です。
日本の労働法では、労働者を守るということが重視されており、労働問題で争われると、経営者側が厳しい立場に立たされるということがよく起こります。労働者側の訴えに適切な対応をしなかったがために、企業イメージの低下を招き、経営に大きな影響を及ぼすということがあります。中小企業の多くは、労働問題に対しての対策が十分であるとは言いがたい状況にあります。
労働問題を防ぐためには、トラブルが起きる前に就業規則や労働契約書の整備をしておくことが重要です。労働環境を整備しておくことで、言われもない訴えを退けることができます。
また、万が一、労働トラブルが起きてしまった場合には、適正な対応をしなければなりません。間違っても労働者側からの要求を無視し続けたり、軽率な対応をしたりするべきではありません。なぜならば、「労働問題が起きてから解決のために会社としてどのような対応をしたか」ということも早期に問題解決を図るためには重要であるからです。
弁護士に依頼をすることで、就業規則の作成や労働契約書の整備など、企業活動をする上で重要となる労働環境を整えることができます。多くの中小企業では、その重要性を理解しながらも、そこまで手が回せていないという現状があると思います。弁護士に頼むことで、労働環境の整備を経営者の意見を反映させながら行うことが可能です。
労働審判
労働審判は、使用者側・労働者側双方にとって労働問題をスムーズに解決するための制度です。
訴訟になってしまった場合には解決まで1年近くかかってしまうことがありますが、労働審判は原則として3回以内の期日で結論を出すことになるので、時間的・金銭的な負担が少なくて済みます。
一方、3回で審判が下されてしまうため、第一回の期日までに入念な証拠の収集と論拠の構築をしておく必要があります。これらの準備を怠ってしまうと、相手側に主導権を握られてしまい、不利な審判が下されることになってしまいます。しかしながら、多くのケースで、第一回期日までにどのような準備をして良いのかがわからない、もしくは準備に時間が割けない状態で臨んでしまうことになります。
弁護士に依頼をすることで、答弁書などの書類の作成や期日までの証拠の準備、労働者側との交渉を代理で進めることが可能ですし、弁護士が労働審判の結果を大きく左右する第一回期日までの準備をすべて行うので、その後の交渉について、スムーズに進めることができます。
問題が発生したらすぐに弁護士に相談し、適正な準備を進めていく必要があります。労働審判を起こされたら、できるだけ早い段階で弁護士に相談されることをお勧めいたします。
労働訴訟
労働訴訟とは、調停の成立または労働審判の確定ができなかったものに対して、裁判所に判断を仰ぎ、問題を解決しようとするものです。
多くの労働訴訟で争点となるのは、解雇をされた従業員が手続きの無効を主張し、未払い給与の支払いを求めてくるというものですが、解雇の方法によって争点が異なります。
懲戒解雇の場合は、就業規則に規定が存在するか、懲戒事由にその内容が該当しているか、懲戒事由が適正であるか、懲戒解雇の手続きが適正かという点において、争いになります。
普通解雇の場合は、指導や配転、退職勧奨をおこなったか、解雇事由が適正であるかどうか等が争点となり易いです。
整理解雇の場合は、人員削減の必要性、整理解雇を選択することの必要性、被解雇者選択の妥当性、手続きの妥当性(従業員への十分な説明がなされたかなど)が検討要素となります。
原則として労働法は労働者を守ることに重きを置かれた法律です。相手側の請求に対して対応が遅れてしまうと交渉で主導権に進められてしまい本来支払う必要のなかった費用を支払ったり、企業イメージの低下を招いたりといった大きな経営リスクを負うこととなります。
訴訟を起こされたら、まず相手側との和解に応じるか、判決を求めるかの判断が求められます。経営者にとってどちらの手続きが最善の結果をもたらすのかについて、事実関係を整理・把握し、慎重な判断をしなければなりません。これらの判断には法的な専門知識を要する専門家のアドバイスが必要になります。
弁護士に依頼をすることで、なるべく会社の信用低下を防ぐ形で和解案を調整することができます。実際に訴訟を行う際には、依頼者と話し合いをしながら勝訴を勝ち取るための主張を組み立てていきます。
弁護士に依頼した場合には、訴訟を起こされた後の対応はもちろんですが、労働者から訴えられないための労働環境の整備や労働条件の調整、解雇の際のアドバイスなどをさせていただきます。